口臭が気になる方へ

口臭を気にされて来院する患者様がいらっしゃいます。
口臭はご自分も臭うこともありますが、
ご自分ではわからない場合もあり、
一度気になると大変困った症状です。
口臭は、主に以下のような病気があるときに、起こります。

1.慢性副鼻腔炎
2.慢性扁桃炎
3.逆流性食道炎
4.口腔の病気
5.虫歯、歯肉炎など歯の病気
6.心因性口臭症


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1. 慢性副鼻腔炎
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頬、眉の奥、眼の内側には副鼻腔という空洞があり、鼻に連続しています。
ここに細菌が感染すると、膿汁がたまり、急性副鼻腔炎、蓄膿症となります。
風邪をこじらせた後などに発症することが多いです。

慢性的に膿汁が副鼻腔から鼻腔、そしてのどに落ちるようになると、口臭の原因となります。
ご自分でも鼻汁の悪臭に気がつくことがあります。
腐ったようなにおいのことが多いです。
慢性化し鼻茸(ポリープ)が出てしまうと、手術が必要になりますが、
早めに治療を開始すれば、2ヶ月間薬を内服すると、完治でき、口臭も改善します。


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2. 慢性扁桃炎
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扁桃腺は、口を開けると、のどちんこの両側にみえるリンパ組織です。
体を、外界から侵入する細菌や、ウィルスから守ってくれています。

扁桃には、表面にくぼみがあり、ここから扁桃の内にありの巣のように複雑に入り込む陰窩という空洞が出来ています。
扁桃はこの空洞内に細菌を取り込んで分析し、その細菌が次に入ってきた時に使う武器(抗体)を作成します。

ところが、扁桃が取り込んだ細菌に負けてしまうことがあります。
そうすると、空洞内に細菌が常在するようになり、時々熱が出たり、扁桃に白い"おから"のような膿栓がつくようになります。
これが口臭の原因になります。

うがいと抗生剤を少し長めに服用すると改善する場合がありますが、
薬ではなかなか治りにくいことが多いのです。
その場合は扁桃の陰窩を電気凝固すると改善します。

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扁桃の摘出術は、全身麻酔の手術で入院が必要ですが、
この手術は局所麻酔なので、入院しないで、外来で手術を受けることが出来ます。
手術時間は、左右併せて10分ほどです。


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3. 逆流性食道炎
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近年、日本人の食生活や生活様式が欧米化したことで、胃酸の逆流を起こす方が増えています。
慢性の咳や、のどの違和感などの他、口臭も逆流性食道炎で起こります。
失礼ですが、どぶのような口臭になります。

ゲップが多かったり、呑酸といって酸っぱいものがこみ上げる感じがある方は
特に胃酸の逆流が起こっている可能性があります。
胸焼けもあれば確実ですが、胸焼けを感じ無いからといって、逆流がないとはいえません。

まず、
便秘や、おなかのもたれを改善し、
規則的な食生活と腹八分目、
食後すぐに横にならないこと

を守って下さい。

胃酸を抑える薬、胃、食道の蠕動を改善する薬剤を、6~8週間服用するとほとんどの方は症状が改善します。


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4.口腔の病気
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口腔内には、いつも細菌がいます。
細菌といっても、私たちの体を、悪い細菌から守ってくれる善玉菌と、病気を起こす悪玉菌がいます。
イソジンという茶色のうがい薬をあまり使いすぎると、
善玉菌が死んでしまい、かえって悪玉菌が繁殖してしまうことがあります。

唾液には口腔を清浄化する作用がありますので、
ドライマウスがあると、口腔内の細菌が繁殖し口臭の原因となります。

舌の表面に白い苔のようなものがありますが、これも厚くなりすぎると口臭の原因となります。
歯磨きなどをまめに行い口腔内をキレイにする口腔ケアを行い、アズノール液などでうがいをすることで改善します。


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5.虫歯・歯肉炎などの歯の病気
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歯科領域の疾患で口臭が出ることはよく知られています。
歯に関連した細菌は嫌気性菌によるものが多いですが、これらは悪臭のガスを発生し、口臭の原因となります。
口腔ケアとともに、歯科治療が必要になります。


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6.心因性口臭症
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口臭を以前、他人から指摘された方が、ご自分の口臭を過剰に気にしてしまうことがあります。
実際には、それほど口臭が強くない場合が多いですが、
他人のちょっとした仕草で、口臭があるのではと気にしてしまいます。
口臭は見えないものでもあり、ご自分では、においがわからないこともありますので、
精神的にも不安定になってしまいます。

口臭は、どなたでも少しはあるものですから、病院で検査してもらい、異常がなければ、
あまり気にされないようにするのが、一番の治療になります。
それでも気になる場合は、抗不安薬を短期間服用されると落ち着きます。

以上、口臭の原因となる病気について、お話ししました。
まれですが、口腔や咽頭、食道の癌でも、口臭が出ることがあります。
気になるときは、専門医に相談して、早めに解決するのが良いでしょう。


院長

hozawa (2012年3月16日 09:59)