2022年11月17日
先日、知り合いの方に 「子供の耳かすがねっちょり湿っていて、びっくりした!!」 というお話しを聞きました。 そうなんです!! 人の耳垢には2種類あるんです。 ぱさぱさっとした乾性耳垢(乾燥した耳垢、こな耳等と呼ばれます)と 湿性耳垢(湿った耳垢、ねこ耳やあめ耳等と呼ばれます)があります。 湿性耳垢は、 耳の中にあるアポクリン腺(汗を作る器官)から分泌される汗により、 湿った垢になります。 耳垢の違いは、遺伝子の配列が違うために起こります。 湿性耳垢の割合は、地域によって違いがあるものの、 日本人は約16%、 世界を見てみると、中国人や韓国人では4~7%、 ミクロネシア人は60~70%、 白人では90%、黒人は99.5%と言われています。 耳の穴から約2.5cm奥に鼓膜があります。 耳の穴から鼓膜までの管を外耳道と言います。 厚さ0.1mmしかない繊細な鼓膜を守るため、 外耳道は単純な筒ではなく、 上下、前後にS字のカーブを描きながら、屈曲しています。 この屈曲した外耳道が、 外部から異物が入るのを防いでいます。 外耳道の外側1/3は、 耳たぶと連続した軟骨でできています。 内側2/3は骨でできていて、 骨の上にじかに皮膚がはっています。 とても薄い皮膚なので、 ちょっとでも強く綿棒で掻くと、 傷がついて痛んだり、耳だれの原因になリます。 イタリアに 「拳より大きいものは耳に入れるな」 ということわざがあります。 耳には何も入れてはいけないと言うことですね。 それじゃ、耳かすはどうしたらいいのと不安になりますか? 実は、耳の中には耳かすを自動的に外に運ぶ ベルトコンベヤーのような仕組みがあります。 鼓膜の真ん中に色素で印をつけると、 何日かすると印は鼓膜から外耳道に移り、 さらに手前に移動します。 ですから、耳の中に耳垢があっても、 自然に内側から外側へ出て行くようになっています。 そのため、乾燥した耳垢の方は、本来掃除する必要はないんです。 気になるようでしたら、 見える部分だけ掻き出してもらえれば十分です。 反対に、湿った耳垢の方は、 自然に耳垢を外へ出す機能が上手く働かないので、 定期的に掃除した方がよいです。 ただし、耳かきをしているときに誤って、 鼓膜を破ってしまう事もありますので、十分に注意してください。 先ほどもお話ししたように、 耳の中の皮膚は非常に薄いのです!! 自分でやると、強くこすらなくても、 耳の中の皮膚を傷つけてしまうことがあるので、 半年に1回くらい、耳鼻科でお掃除してもらうのがベストです。 傷がついて炎症が起きてしまうと、 痒くなったり、耳だれの原因となります。 また、大きな耳かすは耳に栓をしてしまい、聞こえも悪くなります。 耳掃除、無理にしないようにしましょう!! 院長
<動画の内容>
● なぜ耳垢ができるの?
● 耳かきしてもOKなボーダーラインはどこまで?
● 耳かすで分かる!あなたは縄文人or弥生人?
● 耳掃除するときの注意点。
● 耳かきの頻度と方法。
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