2023年11月24日
喉に、何か詰まった感じがする。
ご飯は食べれるのに、薬やつばを飲むときにひっかっかる。
痰がからむのに、痰が出ない。
夜、寝ているときに自分のつばで溺れそうになる。
と言った症状で、受診される方が沢山いらっしゃいます。
病院で診察を受けても、内視鏡でも、レントゲン写真でも異常がありません。
お医者さんに、
そもそも、食事はできるのに、つばが飲めないなんて、おかしいじゃないですか。
気のせいですね、自律神経失調症、ノイローゼなどと、言われてしまいます。
それでも、症状は続きます。
エヘン虫の仕業です。
食道には、逆流防止弁が二つあります。
胃から食道に逆流するのを防ぐ、
横隔膜の高さにある、下部食道括約筋(LES)と、
食道から、のどへの逆流を予防する、
喉仏の位置にある上部食道括約筋(UES)です。
上部食道括約筋は、
呼吸をするときに食道に空気が入らないようにする働きもあります。
いつも締まっていますが、
食事中、口から食物をゴックンと飲み込むときには、
上部食道括約筋は、緩んで、食物が食道に入りやすくします。
エヘン虫がのどにいる方の上部食道括約筋は、
かなり強く締まっていて、
4メートルの深さのプールの底にかかる水圧くらいの圧力で、
のどを締め付けています。
これでは、患者さんが苦しく思うのも仕方ありません。
食事を始めて、食物を飲み込むと、
上部食道括約筋はゆるんで、
食物が、食道に入ります。
食事中は、エヘン虫がいなくなるわけです。
食後に、薬を飲もうとすると、
上部食道括約筋がまた閉まり始め、
薬がのどに引っかかります。
一方、下部食道括約筋は、ゆるっみぱなしで、
胃から、食道に頻回に逆流が起こり易くなっています。
上部食道括約筋のしまり具合は、いくつかの反射で調節されています。
咽頭-UES反射は、
食物をゴックンと飲み込む時に起こり、
食物を食道に通すため、上部食道括約筋は緩みます。
食道-UES反射は、
胃から食道に、何かが逆流したときに起こります。
液体や固形物が、胃から食道に上がると、
上部食道括約筋はきつく締まります。
お酒を飲み過ぎて、吐きそうになったとき、
胃から食道に逆流しても、口までは出てこないのは、
この反射が起こるおかげです。
気体が逆流したときは、
上部食道括約筋は緩みます。
これが、ゲップです。
胃の内容が頻回に逆流することで起こる、
上部食道括約筋のしまりすぎが、
エヘン虫の正体です。
食べ過ぎや、食べてすぐ横になると逆流が起こり、
エヘン虫が発生します。
食欲の秋、そして忘年会シーズンとなりますが、
食べ過ぎには気をつけてください。
院長
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