朴澤耳鼻咽喉科

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2024年06月24日

暑い日は脱水に気をつけて、熱中症と耳管開放症を予防しましょう。

 

 

 

大分暑い日が多くなりました。

夏は、脱水症による、熱中症に気をつけてください。

汗を掻いて脱水になると、耳の症状が出る事があります。

耳管開放症です。

 

 

自分の声が響いて聞こえたり、耳が詰まった感じがしたり、

呼吸の音が耳の中で響いたりします。

 

悪化すると、聞き返しが多くなったり、

めまいがしたり、耳鳴りがする事もあります。

長く続くと、精神的にも苦しめられます。

 

 

鼓膜の内側と外側の圧力を同じにするために、

中耳と鼻の奥をつなぐ耳管という管があります。

いつもは閉じていますが、

あくびをしたり、つばを飲む動作で開きます。

 

高い山に登ったり、高層ビルのエレベーターに乗ったり、

飛行機に乗るときに、気圧の変化で耳が詰まったり、痛くなることがあります。

このときに耳管が開くと、症状が和らぎます。

 

この耳管が何らかの原因で、開いたままになってしまうと、

耳管開放症が発症します。

 

耳管が開いていると耳管を通じて、

ご自分が話した声、呼吸の音が、耳に入り、

とても不快な症状となります。

片方で起こる場合も、両耳に起こることもあります。

 

 

耳管開放症の原因としては、

体重が急激に減ることで、

耳管の周りにある脂肪が減ってしまう事が最も大切です。

ダイエットや、過労、糖尿病などの病気で体重が減るときに起こります。

 

脱水も、耳管開放症の原因になります。

夏は、脱水にご注意下さい。

 

原因はまだ明らかになっていませんが、

血圧が低い方や、妊娠中、ピルを飲んでいる方にも、

発症することがあります。

 

一度なるとやっかいな症状です。

すぐに治ることもありますが、長期間にわたり、

症状が続くこともあります。

 

 

耳管開放症の治療は、

まず原因となった事を改善する事です。

痩せてしまった方は、体重をもどすようにします。

妊娠中の耳管開放症は出産後には改善します。

 

仕事中に急に耳管が開いてしまったときは、

お辞儀をするように、頭を心臓の高さまで下げると、

耳管が閉じて、症状が楽になります。

緊急時には、試してみて下さい。

 

脱水には水分を取ることが大切で、いつもより多めに水分を取って下さい。

漢方薬の加味帰脾湯を飲むと改善する場合がありますが、

少し長く飲む必要があります。

 

生理食塩水を、鼻の奥の耳管が開く部分に届くように点鼻すると、

症状が改善します。

人によって、症状がよくなる時間に長い短いはありますが、

うまく点鼻できると効果があります。

 

それでも症状が改善せず、長く続く時は、

耳管に耳管ピンを挿入する手術もあります。

 

暑い夏は、耳管開放症が発症しやすい季節です。

水分を多めにとって、

熱中症とともに、耳管開放症も予防して下さい。

 

院長

 

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