2024年10月08日
PPPD、持続性知覚性姿勢誘発めまいを、ご存知でしょうか?
メニエール病や、良性発作性頭位めまい、前庭神経炎など、
耳が原因の回転性めまいを感じたあと、
耳の病気は治ったのに、
フワフワするようなめまいが、
ほぼ毎日、3ヶ月以上続くときに言います。
グルグル回るのでは無く、雲の上を歩いているなど、
フワフワする浮動性のめまいです。
朝は比較的いいのですが、夕方にかけてめまいが悪化します。
歩いているときや、
バスや電車などの乗り物や、
エレベーター、エスカレーターに乗っているとき、
スーパーのショウケースをみたり、
スマホの画面をスクロールしたり、
細かい模様を見たりすると、めまいが悪化します。
30〜50才の女性に多く、
病院の検査では異常が出ないことが多いです。
私たちは、耳からの情報、目からの情報、そして深部知覚を総合して、
体の釣り合いを保っています。
体を少し、右に傾けて下さい。
物が左に移動することが目からの情報でわかります。
右の足裏または、座っているときは右のお尻に体重を感じ、
左に比べて右半身の筋肉が緊張するのを感じます。
これが深部知覚です。
耳には、三半規管と耳石器官という、
私たちの体がどのように動いているかを知るためのセンサーがあります。
目、耳、深部知覚からの情報を総合的に判断するのが、
脳の前庭小脳です。
目、耳、深部知覚の3つの情報と、
それを統合する前庭小脳が正常だと、
バランスをうまく保つことが出来、めまいを感じません。
深部知覚や目が、急に障害されることは稀なので、
めまいを感じる時は、耳か、脳に問題があるときです。
耳が原因のめまいは、ぐるぐる回るような回転性のめまい、
脳が原因の時はフワフワするような浮動性のめまいが起こりやすくなります。
東日本大震災の時、マグニチュード9の大きな揺れのあと、
3ヶ月にわたり余震が続きました。
このとき、地震酔いと言って、
揺れてはいないのに、地震のような揺れを感じたり、
長く続くめまいを訴える方が多くいらっしゃいました。
これは、これまで感じたことのない揺れを感じて、
前庭小脳が、機能異常を起こしてしまったための症状でした。
PPPDも、地震酔いと同様に前庭小脳の異常によるめまいです。
耳が原因のめまいを感じたときに、
体のつり合いを保つのに、
前庭小脳が目と深部知覚の情報に頼りすぎてしまったために、
耳の病気が治ったあとも、
目や深部知覚への刺激に、過剰に反応してしまい、
めまいを起こしてしまいます。
PPPDは、まだ7年前に病名がついたばかりの、
新しい病気ですが、
脳内のセロトニンを増やす抗うつ剤の効果が70%に見られています。
めまいのリハビリテーションや、
精神療法の一つの認知行動療法もめまいの改善に効果があるとされています。
PPPDのめまいの原因を考えると、
マインドフルネスストレス低減法や、
CBDもめまいの改善に効果が期待できます。
PPPDは、自然に治ることがない病気です。
ただし、診断がついて治療を早く始めると、回復も早い病気です。
逆に、診断が遅れると、回復が遅れ、
長期間めまいが続くので、精神的にもうつ状態となり、
生活の質が低下してしまいます。
PPPDかもしれないと思われたら、
早めに耳鼻科を受診して治療をはじめて下さい。
院長
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