2022年12月17日
新型コロナウィルスに感染し、1週間の隔離期間が無事に過ぎ、 熱や喉の痛みは良くなったのに、 咳だけが続くと言って、受診される方が多くいらっしゃいます。 オミクロン株以前の新型コロナウィルスでは、 肺炎など重症化する方が多く、 COVID-19罹患後症状という、 発症後4週間以上、以下のような症状が続く、 いわゆるロングコロナという病態がありました。 1. 疲労感、頭痛、脱毛、筋力低下 2. 呼吸困難、息切れ、咳、痰 3. 不安感、睡眠障害 4. 味覚障害、嗅覚障害 5. 集中力の低下、記憶障害 特に、糖尿病などの持病がある方や、 女性、喫煙者、肥満、ワクチンを打っていない方に、 多く発症すると言われていました。 このロングコロナのイメージが強いためか、 咳が続くと、自分もロングコロナかと 心配される方もいらっしゃいます。 しかし、デルタ株の頃に比べて、オミクロン株では、 症状も軽症で済むことが多く、ロングコロナは大分減っています。 特に、自宅療養のみで改善した方や、 子供さんでは、ほとんどありません。 発熱、喉の痛みなどの症状が治ったのに、咳が続く原因は3つあります。 一つは、免疫が弱っていて、まだコロナウィルスが残っている場合です。 隔離期間が過ぎても、咳が続くときは、抗原検査を再検査すると良いでしょう。 検査キットは、県や市から無料で送ってもらえます。 少し痛いですが、上咽頭という鼻の奥まで、綿棒を入れて、 検査すると正確な結果が得られます。 陽性の場合は、もう少し、安静にしましょう。 検査が陰性でしたら、副鼻腔炎か、咳喘息の可能性が高くなります。 ウィルス感染のあと、免疫力が低下し、 細菌感染が悪化し、 副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症になります。 喉に、膿んだような鼻汁が落ちて、たんが絡む咳が出ます。 もともと副鼻腔炎がある方や、子供さんの咳も、 副鼻腔炎によることが多いです。 副鼻腔炎の治療をすることで、 咳は止まります。 耳鼻咽喉科を受診してください。 痰が絡まない空咳の時は、咳喘息のことがあります。 コロナに感染したときに、ひどい咳が出て、 咳き込んで吐きそうになった方は、咳喘息の可能性が高いです。 咳をすると腹圧が高くなり、胃酸の逆流が起こり、 刺激された気管の神経が過敏になることで、 お話をしていたり、 冷たい空気を吸うことなど、 ちょっとしたことで、咳き込んでしまいます。 もともとアレルギーがある方にも、咳喘息が発症しやすいです。 寝る前3時間は飲食を控え、胃を空っぽになってから横になるようにしたり、 胃酸を抑えたり、気管の神経の敏感さをとるお薬で改善します。 咳が続くからと言って、ロングコロナと心配せず、 耳鼻咽喉科や、内科を受診すると、早く咳は止まります。 それでも1ヶ月以上咳が続いたり、 急に呼吸が苦しくなる時は、 肺血栓塞栓症や自然気胸のリスクがあるので、 すぐ病院を受診してください。 院長
● コロナの後遺症?症状と発症しやすい人
● ロングコロナの発症率〜変異株による違い
● 咳が長引くときの対処法〜まずは再検査を。
● 原因1:副鼻腔炎
● 原因2:咳喘息
● これ以外の原因
※この動画は、2022年11月28日に作成したものです。
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