2023年03月11日
新型コロナに罹患されたあとに、 めまいや、耳鳴、難聴を訴えて受診される方が、いらっしゃいます。 これまで、コロナ感染後の耳の症状に関する論文は26有り、 英国マンチェスター大学のグループが、まとめたところ、 コロナに感染後、めまいを訴える方が7.2%、 難聴を訴える方が7.6%、 耳鳴りを訴える方は14.8%もいらっしゃる事がわかりました。 その原因として、3つのことが考えられます。 一つ目は、コロナウィルスが、聴こえに関する神経に感染することです。 帯状疱疹ウィルスが、神経に感染することはわかっていますが、 新型コロナウィルスが、 聴こえの神経に感染することは、証明されていません。 新型コロナのワクチン接種後、 難聴や、めまいが起こることは報告されており、 ウィルスの直接的な関与は否定できません。 もし、コロナに感染後、ひどい、めまいや、難聴、耳鳴を感じたら、 隔離期間が終了後、なるべく早く、耳鼻科を受診し、 治療を受ける事をお勧めします。 治療開始が遅れると、手遅れになることもあります。 二つ目は、耳の酷使です。 コロナ禍になり、 私たちは、知らず知らずのうちに耳を酷使しています。 リモート会議、オンライン授業、ストレス発散に音楽を聴くためなど、 イヤフォンやヘッドフォンを長時間使用しがちです。 世界保健機構WHOは、 イヤフォンなどで、80デシベルの音を1週間で40時間以上、あるいは、 98デシベルで1週間75分以上聞き続けると難聴になるリスクがあると、 注意を喚起しています。 地下鉄の車内では、80デシベルの騒音にさらされています。 コンサート会場や、クラブなどでは、104〜112デシベルの音量になります。 若い方が、イヤフォンで聞く平均的な音量は105デシベルと言われます。 一度、大きな音で難聴になると治ることはありません。 WHOは、世界で11億の若者が、難聴になるリスクがあると警告しています。 対策は、とにかく大きな音を長時間聞かないことです。 音量を80デシベル以下に下げ、 1時間イヤフォンを使ったら、10分耳を休ませる事が大切です。 電車の中で聞くときは、ノイズキャンセリング機能を使うと、 音量を下げるのに役立ちます。 ご自分がどれくらい、音を聞いているか知りたいときは、 iPhonでは、ヘルスケアというアプリがあり、その聴覚の項目で、 どれくらいの音量で、何時間音を聞いているかチェックすることができます。 是非、調べてみて下さい。 そして大音量で、長時間聞いているときは、音量を下げましょう。 3番目の原因は、 コロナの健康二次被害です。 コロナの感染予防あるいは、隔離のため、 自粛期間が長いと、ストレスがたまり、 自律神経のバランスが崩れたり、 昼と夜のリズムが崩れてしまうことがあります。 そうすると、メニエール病が、発生しやすくなり、 めまい、耳鳴、難聴の原因となります。 当院を受診したメニエール病の患者数も、 コロナ禍になり、とても増えていますし、 小学生など、子供さんまで、 メニエール病になってしまうことも多くなりました。 耳鼻科を受診して、治療を早めに始めることが大切です。 運動の習慣を欠かさず、 栄養のバランスがとれた食事をし、 質の高い睡眠を取り、 昼と夜のリズムを保つようにすると、 発症を防ぐ事ができます。 第8波もようやく収まったようですが、 耳の症状がある時は、早めに耳鼻科を受診して下さい。 院長
<動画の内容>
●コロナ感染後の耳の症状
●コロナ感染後、耳の症状が起こる原因
●ヘッドホン難聴とは
●コロナの健康二次被害とは
●サーカディアンリズムを戻す方法
チャンネル登録よろしくお願いします^^
統合メディアカルケアセンター「Tree of Life」のブログもご覧下さい。