2024年04月30日
コロナ禍が一段落し、
飛行機で旅行する方が増えてきました。
飛行機に乗った後、耳が痛かったり、聞こえが悪いと言って
受診される方も増えています。
地上と、上空の気圧の変化による、
航空性中耳炎です。
航空機が飛行する1万メートル上空の気圧は、約0.2気圧ですが、
飛行中の航空機の機内の気圧は、
0.8気圧に調整されています。
それでも、富士山5合目くらいの高さにいるのと同じ気圧です。
この気圧の変化が、離陸して15〜30分の短時間におこります。
手荷物で持ち込んだ、ポテトチップの袋が
上空で、パンパンに膨らんで驚かれた経験はありませんか?
気圧が下がった影響です。
私たちの鼓膜の内側でも同じ事が起こり、
鼓膜が、外側に膨らんできます。
最初は、耳が詰まった感じがし、
徐々に痛くなり、聞こえが悪くなります。
あくびをしたり、つばを飲んだりすると、
耳の痛みが取れ、聞こえも良くなります。
いわゆる、耳抜きといわれる動作で、
鼓膜の内側の空気が、
中耳と鼻をつなぐ、耳管を通じて、鼻に抜けて、
鼓膜の内側と、外側の気圧が同じになり、
鼓膜が元の位置に戻ります。
着陸する時は逆に上空の気圧が低いところから、
地上に戻り、0.2気圧、圧が高くなります。
プールで、2メートル潜った時と同じ変化です。
このときは、鼓膜が気圧で内側に押し込まれる形になります。
耳管を通じて、空気が鼓膜の内側に入らなければならず、
離陸の時より、鼓膜の内と外の圧を同じにするのが難しくなります。
長引くと鼓膜の内側に水がたまり、難聴が長引きます。
飛行機に乗る時に風邪を引いていたり、
アレルギー性鼻炎や、蓄膿症があると、
耳管の調子が悪くなりやすく、
航空性中耳炎を起こしやすくなります。
鼻の調子が悪いときは、
飛行機に乗る前に、
是非、治療をして下さい。
鼓膜に影響する気圧の変化を和らげるための耳栓があります。
飛行機に搭乗する前に、両耳に装用し、
着陸して、飛行機を降りるまでつけたままにします。
つけていても、音は聞こえますので、
会話などは問題なく行えます。
離陸、着陸の時はあめをなめて、
何回もつばを飲むようにすると、
耳管が開き、気圧の変化の影響を最小限にすることが出来ます。
航空性中耳炎は一度起こると、不快な症状です。
旅行を楽しむためにも、耳と鼻のケアをお願いします。
院長
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