朴澤耳鼻咽喉科

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2023年07月20日

【Dr.ブログ】子供さんが、朝なかなか起き上がれなくて、学校に行けないとき。起立性調節障害かもしれません。

 
 

最近、朝 起きるのがつらく、めまいがして、学校に、なかなかいけないという子供さんが、受診される事が多くなっています。

 

横になっている時は、何でもないのに、起き上がったり、長く立っていると、立ちくらみのような、ふわふわするめまいを感じたり、目の前が真っ暗に、あるいは真っ白になったりします。頭が重くなったり、吐き気がしたり、ひどいときは意識を失って倒れてしまう子もいます。

 

自律神経の調節がうまくいかずに、血圧が、体の位置によって大きく変動してしまう事が原因で、起立性調節障害といいます。

 

 

10才から16才の思春期の子供さんにおこります。この時期は、2次性徴が始まる時期です。体の変化が目立ちますが、心や、神経にも影響があり、ホルモンや、自律神経のバランスが大きく変化するのに、体がうまくついて行けないと、症状が出てしまいます。

 

朝、症状が強く、なかなか学校に行けず、不登校になってしまうお子さんもいます。横になっていると楽なので、昼は寝てばかりになり、夜になると調子が良くなるので、サボリ癖が付いたのではと、ご両親や、学校の先生に叱られてしまう場合もあります。

 

 

小学生高学年の5%、中学生の10%に見られる、稀ではない病気です。やや女の子に多いですが、男の子にも起こります。不登校になってしまった子供の30〜40%は起立性調節障害が原因になっています。

 

横になってしばらく安静にした後に、立ち上がり、しばらく立っていることで血圧がどのように変わるか、検査することで診断がつきます。横になっていると100〜120と正常の血圧が、立ち上がると80を切ってしまう子供さんもいます。

 

キリンは、高い木の葉を食べれることができるように首が長くなりましたが、頭に血液を送るため、血圧が260以上もあります。血圧が下がると、脳に血液が十分に巡らなくなり、めまいが起こります。

 

朝、子供さんがなかなか起きてこなくても、すぐに叱らないで、病院で検査をしていただくと原因がわかります。横になっていても血圧が100以下の場合は、お薬で調節し、漢方薬で、血圧の変動を抑える事もできます。

 

生活習慣も大切です。横になってばかりいると、なかなか良くなりません。夜になって調子が良くなり、スマホやゲームをしていると、昼夜逆転してしまい、症状は悪化します。

 

 

朝と夜のリズムを作る事が大切です。朝、太陽の光を浴びて、朝ご飯を食べることで
スイッチがONになります。頑張って、朝は起きて、夜は早めに寝ましょう。

 

水分と塩分を多めにとると、血圧を保つ事ができます。1日、水を1.5〜2リットル、塩分は10g摂るようにしましょう。女の子では、生理が始まると、貧血になり、更に症状が悪化します。血液検査で貧血があれば、鉄剤を補充する事も、めまいの改善に役立ちます。

 

 

運動も必要ですが、激しい運動ではなく、お散歩や、ラジオ体操程度の運動で十分です。1日15分でいいので、毎日続けることが大切です。ふくらはぎは、第2の心臓とも言われます。つま先立ちを繰り返す運動をすると、ふくらはぎのポンプ作用で下半身にたまった血液を、心臓に返す事ができます。

 

以上のことを、焦らないで、ゆっくり進めていくと、また学校に行けるまで元気になります。家族や、先生が子供さんの病気を理解し、暖かく見守ることも大切です。私たち大人が感じている以上に、子供さんは、コロナ禍で、心身ともにストレスを感じていたことが明らかになっています。受験なども控えて、心配なお気持ちもわかりますが、子供さんが一番つらい思いをされていると思います。

 

 

病気を理解し、支えてあげると、必ず、子供さんは復活してくれますよ。

 

院長

 

 

YouTube解説はこちら⬇︎

 

 

<動画の内容>

 

●最近多い子供さんのめまい

●起立性調節障害の症状

●起立性調節障害の原因

●起立性調節障害の改善方法

 

 

 

 

 

 

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