朴澤耳鼻咽喉科

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2024年02月20日

むせを感じたら、嚥下体操を始めるときです! 誤嚥性肺炎を防ぎましょう。

 

 

 

誤嚥性肺炎が、最近増加傾向があり、
日本人の死因の第6位になっていることをご紹介しました。

また、誤嚥していると気づく症状や、
誤嚥の有無を見る簡単な検査についてもお話しました。
今回は、むせに気づいた時に行う、
誤嚥を防ぐための嚥下体操についてご紹介します。

 

 

食物を食べるという動作は、生まれてから、毎日していることですが、
詳しく見ると、とても複雑な動作の連続で、
ちょっとタイミングがずれただけで、誤嚥を起こしてしまいます。

 

食物を、口に入れてから、細かくかみ砕き、
唾液と混ぜて飲み込みやすくして、喉に送るまでの、口腔期。

 

食物を、喉から気管に入らないように食道に送るまでの、咽頭期。

 

そして、食道から胃に入るまでの食道期。

 

この3つに分けて考えると、わかりやすくなります。

 

 

口腔期がうまくいかないときは、
よだれが出たり、口から食物がこぼれたり、
食べ物が鼻に逆流したりします。

 

体温より冷たい物を食べると、飲み込みがしやすくなります。
これを冷温刺激と言います。

 

嚥下体操で、飲み込む力、えん下圧を高める事もできます。
あ、い、う、え、お と発音するとき、
私たちは、舌の形を様々に変えていることが、MRIの画像でわかります。
これを利用して、飲みこむ力を強くすることができます。

 

 

ぱたか と発音すると、丁度食物を喉に飲み込む舌の動きになります。
これを繰り返しましょう。

 

あいうべ体操も、効果があります。
あ〜、い〜、う〜、とそれぞれ1秒ほど発声し、
その後、舌を出してべ〜をします。
これを10回繰り返すことを1セットとし、1日、3セットすると効果的です。

 

 

巻き笛を吹く事を繰り返すと、腹式呼吸が意識でき、
気管に食物が入っても、吐き出す力が強くなり、
誤嚥性肺炎を防ぐ事ができます。

のどちんこによる口と鼻を分ける力を強くするので、
食物が鼻に上がるのを防ぐ事もできます。

また、唇の力も増して、食べこぼしを減らすこともできます。

 

 

咽頭の問題があると、
食物が気管に入りやすくなり、むせてしまいます。
液体が最も、気管に吸い込みやすいので、
とろみをつけると、むせを減らすことができます。

 

頷きながら嚥下をすると、
飲み込むタイミングを合わせることができ、誤嚥を防ぐ事ができます。

 

食道の入り口は左右あります。
左右で入り口の広さに違いがあるときは、
広い方を使った方が誤嚥を少なくできます。
右を向くと、左の入り口を使い飲み込むことができます。
逆に左を向くと右の入り口を主に使うことができます。
飲み込みやすさをご自分で確かめてみましょう。

 

食事中テレビを見ていると、
知らず知らずに、横を向いて飲み込んでいます。
狭い方の入り口を使っていると、むせることがあります。
食事中はテレビを消して、正面を向いて食事をするのも大切です。

 

 

食道に問題があるときは、食後にむせがでます。
食事中から、食後3時間はお腹よりのどが高くなるよう、
上体を30度くらい高くすると、
食物の逆流、むせを防ぐ事ができます。

 

以上のように、むせの原因も様々です。
ご自分の食事の様子を振り返って、
弱点があれば、嚥下体操で、強化し、誤嚥性肺炎を予防してください。

 

院長

 

 

 

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